アンドロイド・ニューワールドⅡ
昼休みが終わり、琥珀さんが自分のクラスに帰ってから。

「今日は、先週までとは比べ物にならないくらい、和やかな昼休みでしたね」

と、私は言いました。

週に一度、このような昼休みを送ることが出来るなら、琥珀さんがやって来るのも良いかもしれません。

「そうだね。…って言うか、その」

と、奏さんは言いました。

「はい?」

「ちょっと確認しておきたいんだけど」

と、奏さんは言いました。

「何でしょうか?」

「さっき瑠璃華さん、嫉妬心がどうとか言ってた…よね?」

と、奏さんは聞きました。

嫉妬心?

「はい、言いましたが…」

と、私は言いました。

私の心に新たに芽生えた、新しい感情です。

「そっか。それってもしかして…その…俺が琥珀さんに言い寄られてるのを見て…」

「はい?」

「あ、いや何でもない。何でもない!」

と、奏さんは必死に否定しました。

…何でしょうか。自分が聞いておきながら、自分で否定しています。

「まさかね…。瑠璃華さんほどの朴念仁が…そんな…」

と、奏さんはぶつぶつ呟いていました。

朴念仁?誰が?

「でも…そうだったら嬉しいな…」

と、奏さんは小声で言いました。

…聞こえていないと思っているのかもしれませんが、『新世界アンドロイド』の集音性能は非常に高いので、よく聞こえています。

しかし、奏さんは聞こえていないと思って、わざと小声で言っているのでしょうし。

ここは奏さんを尊重して、私も聞こえていない振りをしましょう。
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