アンドロイド・ニューワールドⅡ
「…それにしても変わったよね。ヘレナちゃんだった頃に比べたら…」

「はい…。本当に、大違いです」

だよね。

朱に交わらせて赤くさせる、と紺奈局長が言っていたけど。

本当に、その通りだ。

まだほんの一年も経っていないのに、こうも変わるとは。

それもこれも、『人間交流プログラム』を考案した、紺奈局長と。

そして何より。

「…奏君のお陰だね」

彼が、瑠璃華ちゃんを変えてくれたんだ。

彼と出会っていなかったら、きっと瑠璃華ちゃんは、これほど変わることは出来なかっただろう。

たった一人の人間との出会いが、これほどまでに誰かを変えるとは。

願わくば、瑠璃華ちゃんがそうであったように。

奏君にとっても、瑠璃華ちゃんとの出会いが、幸福なものであったら。

…これほど嬉しいことはないね。

彼女をこの世に誕生させた、その意味と、価値を見出すことが出来る。

「でも、まだ終わった訳ではありません。『人間交流プログラム』は、まだまだこれからですよ」

「…そうだね、瑠璃華ちゃんはこれから、まだまだ成長する」

今は、まだまだ序の口。

これからもっと、瑠璃華ちゃんは成長する。

奏君との交流と、そしてこれから出会うであろう、様々な人間との交流を通じて。

瑠璃華ちゃんはもっともっと、多くの感情を知るアンドロイドになるだろう。

そうしたら彼女はもう、アンドロイドとは呼べなくなるかもね。

限りなく人間に近い、人ならざる存在になる。 

そうなる日が楽しみだ。

「私達は、見守っていこう。瑠璃華ちゃんや…その他のアンドロイド達の行く末を」

「はい」



彼らのいるその未来はきっと、素晴らしいものになるに違いない。
























END
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