アンドロイド・ニューワールドⅡ
「ふーん…。だって、皆。どうする?」

と、湯野さんはクラスメイトの皆さんに聞きました。

「本人達が良いって言ってるんだから、私達も遠慮しなくて良いんじゃない?」

「だな。これでもし緋村が行けなかったとしても、自分達の責任だし」

「去年までの分も、遠慮なく好きなところに行きましょうよ」

と、クラスメイトの皆さんは口々に言いました。

なんとも冷たい方々ですね。

しかし、大丈夫です。

今年は、皆さんの行きたいところに、遠慮なく行ってください。

どのようなところでも、必ず私が、奏さんを連れていきますから。

何なら、宇宙空間でも良いですよ。

どうぞ遠慮なく。

私がこの宣言をしたことにより、一気にクラスは賑わい。

クラスメイト達は、あれやこれやと、行きたいところをピックアップしていきました。

奏さんに遠慮しなくて良いと言った途端、候補が出るわ出るわ。

皆さん、案外欲求不満だったのですね。

今年こそは、思う存分、行きたいところを仰ってくださって結構ですよ。

私は何処でも構いませんから。

こうして、いくつか候補があげられ。

クラス委員の湯野さんが、それをまとめ。

五つほどに候補を絞ってから、ホームルームはお開きになりました。

この五つの候補を、担任の佐賀来教師に持っていって、予算などを考慮して、最終的に決定するそうです。

行き先は何処になるか…楽しみですね。
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