望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
 ブレイグとケネスは護衛騎士と呼ばれる騎士だった。ときどきカレンの元にやってきては、この国とこの国の歪みについて教えてくれた。

 カレンがダレンバーナを発つ日、ブレイグはあの王妃の隣にいた。
 誰もカレンに声をかけない。それでいい。カレンは振り返り、ブレイグに言い放つ。

「近衛騎士隊隊長ブレイグ。あなたが、母を殺したこと、私は一生、忘れない。私は一生、あなたを恨む」

 それでいい、とブレイグが頷いたように見えた。王妃は肩を揺らして声を上げ、満足そうに笑っていた。
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