望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
「どうぞ」

「ああ、すまない」
 レイモンドが言うと、カレンは微笑した。

「旦那様。いろいろとお話をしたいと思っていたのですが」

「なんだ。言いたいことがあるならはっきり言えばいい」

 カレンはレイモンドの向かい側に腰をおろした。そして、カップを両手で包む。ふぅ、と肩で大きく息を吐いてから、ゆっくりとカレンは口を開いた。

「なぜ、旦那様は私と一緒に来られたのですか?」

「君が好きにしろ、と言ったからだな」

「旦那様。どうか、本当の理由を教えてください。場合によっては、今ここで、旦那様を殺すかもしれません」

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