幼馴染大和君の執着愛~俺の最愛の番~
「蓮常寺大和です、よろしくお願いします」

「さ・・・・斎藤百花です!よろしくお願いします」

礼儀正しいな
まず思ったのはそのことだった
でも笑顔を浮かべてるけどなんだろ
なんでだろ、そっか眼が笑ってない?
大和君もしかして無理して笑ってる?


「百花ちゃん大和の事よろしくね、まだ引っ越してきて日も浅いし仲良くしてくれると助かるわ」


「母さん大丈夫だよ、僕仲良く出来る」


綺麗なスーツに身を包んだモデルさんのような美人なお母さんが彼を見て微笑んでいる、その姿はまるでグラビアから出てきた親子
思わず見惚れてしまっていた

「大和君百花のことよろしくね、人見知りするしこのマンションで同世代の子も全然いないからちょっと心配してたの、大和君みたいなイケメン君は大歓迎よ」

「百花ちゃんのお母さん大丈夫です僕、百花ちゃんと友達になれると思います!」


彼、蓮常寺大和は引っ越しの挨拶だけで私の母のハートを鷲掴みにしたのだった
帰り際ぺこりと頭を下げた彼
わずかに口角を上げた彼が何故だか妙に気になっていた

人間裏表ある人っているけどまさしく彼、大和君は裏表がある過ぎる人間だった
お母さんとあたしに対する態度が全く違う
こんなにも違う人間がいるのかってくらい違っていた
忘れもしない初登校の日、彼を迎えに行くとすでに玄関から出てくるところだった


「あら、百花ちゃんおはよう今日からよろしくね」
「はい、よろしくお願いします」
「百花ちゃん行こう!母さん行ってきます」
「はい、いってらっしゃい」


二人並んでエレベーターを降りマンションから出る
彼は口を開かず前を見据え黙ったまま
どれ位歩いただろう、彼は舌打ちすると歩調を合わせてゆっくり歩きながら思いもかけないことを口にした

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