幼馴染大和君の執着愛~俺の最愛の番~
・・・・でそれからは大変だった
なんというか大和君があたしから離れてくれない
それはもうストーカー並みに・・・・
休み時間になるともうあたしの席に猛スピードで駆け込んでくる
それはもうなんてったって毎時間、毎日だから物凄く疲れる
あたしの席の両隣男子に睨みを聞かせて脅すしもう呆れてしまう
大和君は他の男子があたしに近づくのも嫌みたいでとにかく引っ付いて離れない
まあ最近共学になったばかりの青蘭は以前かなりの不良校だったらしく評判はあまりよろしくない、昨今の少子化もあって共学にするのは必然だったんだとか
でもガラの悪い生徒が多かった不良校って印象はそうそう消えない
だからなのか大和君はあたしのことを異常なまでに心配する
あたしみたいなモテないさえない女誰も構うはずないのに・・・・
そんな大和君はある日の帰り道自宅に着いた途端意外なことを言い出した


「百花、頼みがあるんだけど?」
「なあに?「俺が一緒に居るときは俺がお前のこと全力で守るけど守れないときもあると思う、だから考えたんだ」


そう言って差し出した黒い箱
目の前に差し出された小さな箱に視線を移した彼はいつになく真剣な眼差しであたしを見つめていた


「これは?「開けてみろ・・・・」


中を開けると入っていたのはシルバーの腕輪、真っ赤な石がはめ込まれて見たことがない文字が刻まれていた


「綺麗・・・・「これ、百花にやる」


・・・・・え?


「こ、こんな高価なものもらえないよ」
「お前に持ってて欲しいんだ」
「だって・・・「この腕輪には守護の魔力が込められている」

「魔力・・・・?」
「そうだ、俺も同じものを持ってるからお前に危険が及ぶとこの腕輪が教えてくれるだから常に身に着けていて欲しいんだ」
「え、で・・・・・でもいいの?あたしなんかが持ってて」


するりとあたしの頬を撫でる少し冷たい手
とろけるような瞳で見つめている大和君にドキドキが止まらなかった
あたし・・・・・どうしよう
こんなことされたらあたし勘違いしちゃうよ
頭によぎったのは麗華さんの姿
彼女は大和君のなんなの?
聞きたいけど・・・・詰め寄って聞きたいけど言葉を呑み込んだ


「あたしなんかって言うな・・・・」
「大和君「お前に持っててほしいんだよ、絶対なくすなよ!じゃあな」


そう言ってポンと頭を撫でると手を振って帰っていく彼
何げなく押し切られて断り切れずについ受け取ってしまった
でも本当にこれに魔力が?
赤く光る腕輪は物凄く綺麗でこの時のあたしは腕輪の持つ意味を知らずにお守りのような軽い気持ちで身に着けていた


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