涼やかな風
はじめてお兄さんと会ったのは、晴れた土曜日だった。
珍しく、私の部活がなくて、拓徒の家に遊びに行っていた。
そうしたら、仕事が休みのお兄さんがいて。
・・・・・
「兄貴、紹介するよ。
彼女の、紗和」
拓徒が短く言った。
「はじめまして。
小林紗和です。」
私は言った。
「はじめまして。
拓徒の兄の愁徒です。」
お兄さんは、やわらかく笑った。
第一印象は、お兄ちゃんににてる感じがした。
一緒にいて、居心地のいい、優しい感じ。
・・・・・