天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 ディートハルトと一緒にいられなくて寂しい思いをしているのだから、ディートハルトのことを身近に感じられる魔道具があればライナスも落ち着くのではないだろうか。

(うーん、私も甘いな)

 そうは思うけれど、彼らの力になれるのならなってあげたい。

 血の繋がった兄弟が離れて暮らさなければならないのだから、お互い心に傷のようなものができてしまっても不思議ではないのだ。

「パパ、魔道具を作りたいの。教えてくれる?」
「いいよ、おいで」

 父の仕事が終わるのを待って、声をかければ、両手を広げて膝の上に招かれた。遠慮なく父の膝の上によじ登る。

「それで、ミリィは、今日はなにを作りたいのかな──できるかどうか、一緒に考えてみよう」
「遠くに離れていても、話ができる魔道具って作れるかな? 話している顏も見られるともっといいんだけど」
「音声だけなら、通信機があるが──」
「通信機?」

 今まで、通信機の存在を知らなかったので驚いた。そんなものが存在しているのならば、ディートハルトやライナスにも持たせればいいのに。

「あるよ。通信機」

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