天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 パタンパタンとモフモフした尾をエリアスは左右に揺らす。カークが見かけたら、はしゃいで飛びつくこと請け合いだ。

 そして、白い猫達が力を合わせてカップを持ち上げたり、ティーポットに茶葉を入れたりしていたことをミリエラは思い出した。

 あれは、父と初めて一緒にお茶を飲んだ日のことだった。

「お願いしてもいいかな?」
「もちろんだとも。我は、ミリエラの役に立つのが喜びなのだからな」

 ありがとう、とミリエラはエリアスの首に腕を回した。柔らかな毛並みに頬を埋める。

 エリアスがいてくれるのなら、ふたりの仲直りは大成功のはずだ。

 エリアスの提案は大成功であった。

 ちゃんとしたお茶会にしたかったから、いつものように敷物の上にピクニックバスケットを広げるのではなく、木の枝と枝の間に布をかけて簡単な屋根を作る。その下に子供用のテーブルと椅子を出してもらった。

 真っ白に塗られているテーブルと椅子は、ミリエラ達が座ってちょうどいい大きさ。普段は使わないのだが、たまにはこういうのもいい。

「ふたりとも、ミリィのお茶会にようこそ!」

< 42 / 279 >

この作品をシェア

pagetop