天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
「内側に貼るのなら、今使っているテントを一個貸してもらえばいいね。それは、僕の屋敷から持ってくるよ」

 テント用の布を作るのはミリエラには無理だから、魔道具を作っている職人に依頼しなくてはならない。このあたりは、父に頼まなければ。

「下がごつごつしているのも、なんとかなったらいいよな」

 せっせとスライムの魔石にマナを注入していたカークがぼそりと口にする。彼のその言葉に、ミリエラはハッとした。

「そうだよねえ、下がごつごつしてたら寝にくいよねぇ」

 カークの発言ももっともである。ということは、他に敷物のことも考えなくては。

 考えなければならないことが、次から次へとやってくる。けれど、嫌な気がしないのはきっと、ミリエラが根っからの錬金術師だからなのだろう。

「ねぇねぇ、このアイアンスライムの魔石、使ってもいいかな?」

 ミリエラの言葉に、カークもディートハルトも首を傾げた。

 スライムの魔石は冷たさを持続させるのに使うけれど、アイアンスライムの魔石をどう使うのかは理解できていないようだ。

(テントの底の部分が板みたいになれば、まだましだと思うんだよね)

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