カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない~
episode 2
ありえない形で私と蒼空がカモフラージュ結婚をしてから一夜明け。

私と蒼空はホテルの一室で落ち着かない時間を過ごしていた。

もちろん落ち着かないのは私だけで、蒼空は今にも鼻歌でも歌いだしそうなほどにリラックスしているわけだけど。

「ねえ、蒼空。ニヤニヤしてないでそろそろちゃんと今後のことを決めていこうってば」

頬を膨らませて蒼空を急かしても、「由華ちゃんはどんな顔しても可愛いなぁ」と全然話にならないのだ。

昨日の結婚式後、私達は蒼空の会社の仲間たちが主催してくれた二次会に、急遽顔を出すことになったのだ。

『まさか蒼空がすんなり来るとは思わなかったぜ』

『結婚が決まった時は、式にも来なくていい。二次会なんて参加しない。余計なことはするな、ってすごい剣幕だったのにな』

『あんなに笑顔で迎えられるとは驚きだ』

なんにも事情を知らない仲間たちは、挙って蒼空の豹変ぶりに驚きを隠せずにいた。

深夜にまで及んだ二次会の解散後、フラフラになった私を気遣って、蒼空は近くのビジネスホテルのツインの部屋を取ってくれた。

通常ならばそのまま初夜を……。

という流れになるのだろうが、朝からの怒涛の一日に私はすっかり疲れきっていて、シャワーを済ますのと同時に髪を乾かすこともなく眠りについてしまった。

昼過ぎまでぐっすり眠った私達は、遅めのランチを取って部屋に戻り、今後の生活の変化について話し合おうとしているところなのだが。

先程から蒼空が歯の浮くようなセリフを連発するものだから、全然話が進まないのだ……。
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