マーガレット
都心から少し外れた閑静な街。
その街の魅力は私にしかわからないだろう。
それでも私はこの街が大好きだ。

今日は少し気分が上がらない。
誰にも会いたくなくて誰とも話したくなくて
でも心のどこかでは助けを求めてた。
嫌なことがあった日は決まってあのコロッケが食べたくなる。
商店街のはずれにある豆腐屋さんの1個80円の豆腐コロッケ。
豆腐屋さんのおじさんは豆腐コロッケを頼んだ私に
「おまけだよ」と言ってオレンジジュースをくれた。
私はコロッケを食べながら桜並木のプロムナードを
歩いていた。
そんな私の帰り道。
いつもより長く感じて独りぼっちな気がする。
楽しく二人で歩いた日を頭の隅に思い出して
少し寂しくなった。
どうしてこんな日に限って夕焼けはきれいなのだろう。
茜色の空は美味しそうな綿菓子雲と共にゆっくり流れる。
ぼーっと眺めながらまた一口コロッケを食べる。
美味しい。。
また一口、もう一口。美味しい。。
食べてるうちになんでか悲しくなって涙が止まらなくなった。

気づくと私はコロッケを食べ終えて、
公園のブランコに座っていた。
スマホを見ると、とっくに20時を過ぎていて
4件の不在着信がうるさく訴えかけている。
よく見ると3件は自宅、
残りの1件は私が今1番会いたいけど会いたくない人からだった。
会いたいのに、、、
スマホの画面を閉じると私は4件すべてを
みなかったことにして公園を出た。
今日も私の心は春嵐のまま過ぎていく。











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