鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。

23 (前のようには戻れない)

23 (前のようには戻れない)


鳳条先輩とは連絡が取れないまま、二学期がやってきた。


「桜妃!おはよう!」


私の相談にのってくれていた琴莉ちゃんが、1番に駆けつけてくれる。


「おはよう、琴莉ちゃん」


「もう、そんな暗い顔しないのっ、せっかく可愛いのに」


琴莉ちゃんは私の頬に手を重ねてふわっと笑う。


「今日、鳳条先輩には会った?」


「ううん、会えてない。」


教室に来るまで、頑張って探してみたけど、どこにも鳳条先輩の姿はなかった。


鳳条先輩、来てないのかな……


「じゃあ、間の時間、全部探しに行こう」


「ありがとう。」


嫌な顔ひとつせず、琴莉ちゃんの方から提案してくれる。


本当に、良い子だ………優しすぎるっ、、
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