鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。

4(胸の奥でなった変な音)

4 (胸の奥でなった変な音)
[狼side]


反射的に手を掴んでいた。俺の髪に触れた女がまるで…天使のように見えたから。


俺を見て、慌てた様子のそいつ。


蓮が入ってきて、頬を赤く染めながら、俺の手を払い除けた時、何故か俺は……そいつを……


離したくないと思ったんだ。


今まで抱くことのなかった感情。


「…あ、私は……成瀬 桜妃って言います。」


成瀬……桜妃……。


綺麗な名前。ピッタリだ。


桜妃が、俺と蓮の横をすり抜けて、資料室を出ていった後、蓮は驚いたような様子で俺を見た。


「狼、お前どうした?」


と…。

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