婚約破棄を希望していたのに、彼を愛してしまいました。
結局ベッドに連れて行かれ、夕ご飯も忘れて何度も求め合った。

そして、気がつけば次の日の朝を迎えていた。

「あれから私寝ちゃったの⋯?」

「おはよう、蛍。水飲む?」

「おはよう。水は飲みたいけど、今何時?」

「朝6時。今日は忙しくなるからシャワー浴びに行こ」

まだ少しダルい身体を起こして、智明と一緒にシャワーを浴びに向かう。

もうちょっと遅い時間まで寝てたいけど、忙しいって言ってたし無理そうだな。

「今日の予定は?」

「まず、俺の実家に帰って両親に挨拶。それが終わったら、結婚式の準備。あと、新婚旅行の準備も」

「待ってよ、智明の実家に行くなんて心の準備できてないんだけど!?」

「そんなに緊張しなくても大丈夫。普段通りでいいよ」

そんなこと言われたって、普段通りにできるわけがない。

万が一、粗相をして離婚しろなんて言われたらどうしよう。

入籍した次の日に離婚とか、笑えない。

「何着ていこう⋯」

「普段着でいいって。蛍オシャレなんだからさ」

「普段着で行けるわけないでしょ。結婚挨拶用のワンピース買っておけば良かった⋯」

「そんなに気になるなら実家に行く前に買う?」

「うん、そうする」

私が持ってるワンピースより、少し上品なワンピースを着ていこう。

第一印象は大事だからね。
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