婚約破棄を希望していたのに、彼を愛してしまいました。
次の日、私たちは寒さ対策を万全にして北海道観光をしていた。

ルートは智明が予め考えていてくれたらしく、スムーズに観光ができていた。

「蛍、今更だけど義姉さんって呼んだ方がいい?」

「同い年だし、いつも通り蛍でいいよ。義姉さんって呼ばれたら緊張する」

「そっか、じゃあ蛍で」

「うん、それで!」

「日に日に仲良くなってんのなんでだよ⋯」

「そりゃあ一緒にいたら仲良くもなるよ」

「俺は気に食わない!」

「兄さん、こんなところで叫ばないで。周りのお客さん驚いてるでしょ」

光明くんの言葉に周りを見渡すと、私たちは注目の的になっていた。

それがものすごく恥ずかしくて、そそくさとその場を後にした。

「昼飯ジンギスカンでいいか?」

「うん、私はなんでもいいよ」

「光明の意見は聞かないぞ」

「酷いよ、兄さん。僕が好き嫌い多かったらどうするつもりなの」

「好き嫌いないだろ。だから問題ない」

「兄さん、そういうとこだよ」

この2人、昨日から兄弟喧嘩多すぎません?

ちょっと目を離すとすぐに喧嘩するんだから。

「蛍、もっと食べろ」

「そんなに食べられないよ⋯」

「ちゃんと食え。お前それ以上細くなったらどうすんだよ」

「でも、蛍細いのにおっぱい大っきいよね」

「光明お前マジで何言ってんの」

「蛍顔真っ赤にして可愛いね〜」

だって、あんなこと言われたら顔赤くなるでしょ。

そういう話に耐性ないし。
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