婚約破棄を希望していたのに、彼を愛してしまいました。
「行き先はまだ未定なんだけど、行きたいところある?」

「そうだなぁ⋯京都とか、行ってみたいかも」

「京都か、いいな。今やってる仕事がもうすぐひと段落つきそうで、3泊4日位を見てるんだけど大丈夫そうか?」

「うん、私も有給すごい溜まってお父さんから消費するように何回も言われてるから、それ使って休み取れると思う」

「それじゃあ、飛行機とか旅館の手配はしておくから、そうだな⋯早ければ来週末とかどうだ?」

「大丈夫だと思う。お父さんに話しておくね」

智明の話を聞きながら、どこにいても絵になる人だなぁとぼんやり考える。

ただランチを食べに来ているだけなのに、智明の周りだけキラキラしているもん。

「お待たせいたしました、ミートソースパスタでございます」

私がぼんやりそんなことを考えていると、お待ちかねのミートソースパスタが運ばれてきた。

すっごくいい匂いだし、これ間違いないやつだと思いながら、一口目を口に運ぶ。

「めっちゃ美味しい⋯!」

「俺もパスタは結構食べる方だけど、こんなに美味いパスタを食べるのは初めてだ」

「はぁ⋯来てよかった⋯」

あまりの美味しさに、私たちは思わずため息を漏らす。

機会があれば、私の両親とお義父さま、お義母さまを誘って食べに来たいな。
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