婚約破棄を希望していたのに、彼を愛してしまいました。
光明 side

今日は死ぬほど忙しくて、だけど真っ直ぐ家に帰るのは嫌な気がして、会社の近くにあるCHERRY BLOSSOMに立ち寄った。

扉を開けてすぐ、CHERRY BLOSSOMの独特の雰囲気に包まれ、何を飲もうかと心が踊る。

ぐるりと店内を見回し、さていつもの席に着こうかとしたら見慣れた人物がいた。

「あれ、兄さん?」

そこには兄さんと蛍がいて、蛍は既に酔い潰れているみたいだった。

なんの断りもなく普通に同席し、眠っている蛍の顔を眺める。

寝顔まで可愛いなんて、最高か。

「お前、今日アホみたいに忙しい日じゃなかったっけ?」

「今日の忙しさは半端なかったね。もうずっとバタバタしてて、昼飯もゆっくり食えなかった」

「そうか、ご苦労だったな。褒めてやる」

「兄さんに褒められても嬉しくない。だったら、蛍にいい子いい子してほしい」

「ダメに決まっているだろ」

「冗談だって」

ダメだと言う兄さんの目つきがあまりにも真剣で、蛍は俺のものだと全身で言っているような気がした。

兄さんがそんなに独占欲強い方だとは思わなかったけど、俺から見たら相思相愛、他が入り込む余裕なんかこれっぽっちもない。

そんな2人が羨ましかった。
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