婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
 
 あんな地味女のどこがいいのかと思うけれど、挨拶してくれた、親切にしてもらった、勉強を教えてもらった、優しいって。天才だとちやほやされたわがままで傲慢な令嬢かと思っていたら、全然違う。
 控えめで気さくな令嬢だって、あっちこっちで耳にしたわ。
 
 
「ビビアン様、先程のお二人とどちらかへ行かれましたの?」

 苦々しく考え事をしている時に勝手に話しかけないでとは思ったけれど、怒ってはダメよ。
 わたくしは公爵令嬢ですもの。
 淑女の仮面をかぶり、問いかけた取り巻きの令嬢に飛び切りの笑顔で答えたわ。
 
「ええ。先日、ローシャス公爵家のお茶会に招かれた折に、フローラ様と知り合いましたの」

「まあ。そうでしたのね」

 あのお茶会は限られた者しか招待されていないと聞いていたから、羨ましそうにしているこの侯爵令嬢は残念なことに呼ばれていないのですわ。


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