婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

「ローラ。いらっしゃい。待ってたよ」

 部屋の端に控える側近達が醸し出す生暖かい空気の中、やっと、いつもの挨拶を受けました。

「お待たせいたしました。レイ様」

 返事を返すと相好を崩したレイ様がいました。

 それにしても、レイ様ってイケボですよね。高すぎず低すぎず、うっとりと聞きやすい丁度よい声質。私の好きな声かもしれません。

「うん。今日は外を散歩しないかい? 天気も良いし色々と話もしたいしね」

 レイ様から緊張した雰囲気が感じられるのですが、ほんのちょっとだけ。

 侍女達のテンションもいつもより高かったような気がしますし、ソワソワとした浮足立った空気感に疑問を抱くものの、それを問いかけて答えが出るとは思えないので、気のせいということで自分を納得させました。

「はい」

 返事をして差し出された手を取り庭園へと向かいました。


 
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