婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

砕け散る


「ごきげんよう」

 別れの挨拶がそこここで聞こえる放課後の停車場。次々と迎えの馬車が到着して、生徒達は帰りの挨拶をして次々と校門を出て行きます。

「ディアナ。ごきげんよう。またね」

「ごきげんよう。フローラ、月曜日に会いましょう」

 馬車に乗り込んだ彼女と挨拶を交わして小さく手を振りました。出発した馬車を見送って自分の馬車の到着を待っていました。

 今日は週末。
 帰路に着く生徒達が心なしかウキウキしているように見えます。明日から二日間のお休み。教室でも休日の予定を立てている生徒達が何人もいました。

 私も誘われたのですが、明日はリッキー様の学習日なので丁寧にお断りしました。数週間ぶりの登城なので、ちょっと緊張もしてしまいます。
 そのあとは、レイ様の宮にお邪魔します。今も続いている文通で厨房使用の許可が下りたので、作りにおいでとのお誘いを受けました。
 
 
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