婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
 
 物思いに耽っていると急にテーブルが陰って、薄曇りだった天気が太陽が隠れてにわかに暗くなってきました。
 
「お嬢様、天気が怪しくなってきましたね。お部屋に移動されていかがでしょうか」

 サリーの案じるような声に頷き、自室に帰ってぼんやりと窓の外を見ていると雨が降ってきました。雨粒が葉を揺らして地面を濡らしていきます。

「この雨をレイ様も見ているのかしら?」

 窓を滴り落ちる雨の雫を眺めながら、思い出すのはレイ様の事。
 同じ空の下でレイ様は今、何をしていらっしゃるかしら。きっとお仕事で忙しくて私のことなど忘れていらっしゃるかもしれないわね。

 しとしとと降り続く雨。空を分厚く覆う雨雲。

 この空模様はまるで私の心のよう。
 考えるほどに空虚感に苛まれるだけ。くよくよしても始まらないわ。もっとしっかりしなくては。

 気持ちを切り替えるように息を吐いて、机に向かって本を広げたのでした。

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