婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

「みんなの覚悟はわかった。もう少し、時間をくれないか?」

 一気にしんとした空気に負けないようにみんなを見据えた。ここで流されてはいけない。怯んでもいけない。

「了解です。殿下、今度こそ、頑張ってください。応援しますから」

 拳を突き出すダン。
 みんなの気持ちだろう。素直に受け取っておく。

「殿下、押して押して、押して当たって砕けろですよ」

 ガンバ―と親指を立ててウィンクをよこすアル。
 何度も玉砕させるんじゃない。どれだけ挑ませるんだ。

「わかっておりますよ。これはあくまでも最終手段ですからね」

 セバスの穏和な一声で話し合いの輪を解いた側近達。とりあえず王命の可能性はなさそうだ。

 それにしても、主人抜きで勝手に暴走するのはやめてほしい。切に願う。


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