婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

「とても良い案だとは思いますが、それはどのように決めるのですか? お金もかかると思いますし、広い土地を探すのも、研究員を募集するのも大変ではありませんか? 私の力では何年もかかってしまうかもしれません」

 土地の購入から研究棟などの建設、研究員の人件費なども考えると莫大な費用になります。自分もいくらかの財産は持っていますが、それらを賄うだけの財力があるかというと否です。

「もう、フローラったら。何のために親がいると思っているの? わたくしたちがいるのだから、頼っていいのよ」

「お母様」

「そうだ。一人でなんでもやる必要はない。土地もいくつか候補があるし、相応しい物件を選んで決めればいい。人選も募集をかければ集まってくるだろうし、面接して決めればいい。お金の事なら研究が軌道に乗れば利益も生むだろうから、気にせずに自分のやりたいことをすればいいんだよ」

「そうよ。お父様の言う通りだわ。わたくしも応援するわよ。あなたの研究がどれだけこの国の役に立っていることか。あなたがとても誇らしいわ。わたくしたちの援助はあなたの功績に比べればほんの一助。この国に生まれた人間として少しでもあなたの研究の役に立てたら嬉しいのよ」

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