婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
嘘よね。
嘘でしょ。
そんなことがあっていいはずがない。だって、レイニー殿下と結婚するのはわたくしよ。フローラでいいはずがない。
高嶺の花ってそんなわけないじゃない。フローラは野花ですらなく雑草よ。粗末に踏みつぶされるそこら辺に生えている雑草。高貴のお方が手に触れるような高嶺の花なんかではないわ。
「ディアナの目も案外、節穴なのね。がっかりだわ」
公衆の面前で怒りにまかせて感情をぶちまけてもいいことはない。わたくしは公爵令嬢ですもの。メラメラと燃える憎しみの心を抑えて、扇子の陰で泰然と構えて溜息をついて見せる。
「どう思われても結構ですわ」
「そうなの、残念だわ」
これは、事実上の決別なのかもしれない。
ディアナを失うのは痛いけれど、自分の意に反して同調できるわけがない。彼女はフローラの味方。わたくしに組することはないだろうということが嫌というほどわかったわ。
ここでも痛感させられる。わたくしの愚かさを……