婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
 
 シンと静かになった空間。

 扉から姿を現したのは、レイニー殿下だった。
 
「キャー」

 悲鳴にも似た黄色い声が辺りに響き渡る。彼の美貌に女子生徒達が浮足立ち彼の姿にうっとりと見惚れている。

 久しぶりに見るレイニー殿下の姿。

 その麗しき容姿や立ち姿に釘付けになりながら、もしかしたら、わたくしを迎えに来てくださったのかしらと一縷の望みに縋る。
 ありえないと頭の片隅ではわかっていても、まだ諦めきれていない自分がいる。

 だって、わたくしの方がフローラよりも数倍相応しいと思うもの。

 このまま、あんな三男との縁談なんて蹴散らして、わたくしを連れ去って下さらないかしら。話を聞きつけて、そのために来てくださったのかもしれないわ。

 次から次へと差し込む希望の光。

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