婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「だから、あなたが語学教師を務める可能性はなかったの。西の宮で会っていたのはあなたではなくフローラちゃんよ。ガーデンパーティーで偶然に出会ったのもフローラちゃんであなたではないわ。それは認めるわね?」
筒抜けになっている自分の所業に何も言えずこくこくと頷くだけ。それに嘘だと自白しているのだから当然と言えば当然ね。
それにしてもフローラ嬢からフローラちゃんになっているわ。沸々と湧き上がる怒りを抑えているアンジェラの後ろに燃え盛る青い炎が見えるよう。
「素直でよろしいわ」
再び立ち上がる気力はないのか膝をついたままのビビアン様を見下ろすと、目を細めるアンジェラ。その瞳には侮蔑の色が見えた。
「それとね、メイドの事情聴取の時にレイニーもいたのよ。彼の驚きようったら、そばで見ていて気の毒になるくらいだったわ。フローラちゃんとの交際があなたにすり替わっているのですもの。それを臆面もなく堂々と語るメイド。これが誉れ高きシュミット公爵令嬢の所業とは本当に呆れたわ」