次の春に
「まぁでも…あれは2年の一学期だったか。放課後、多嘉が一人で顔グシャグシャにして泣いてるの見つけた時はビビったな。」



「うーわ、やめてよその話。」



「理由聞いたら、彼氏に浮気されたのにまだ諦められないってまた泣くから驚いた。ピュアかよって」



「うるさいなー。ピュアなんだよ。でもあのときセンセーに頭撫でられて、一瞬でその馬鹿な元彼すっ飛んでっちゃったんだよねー」



「そっからだよな。尻尾振って俺に懐いてくるようになったの。」



「そーそー。気づいちゃったんだ、本当の愛に。ンフ。」



「抱きついてくるのを何度ほどいたことか。そのせいで俺、危うく教育委員会から訴えられてクビになるとこだったんだぞ。女子生徒と距離が近い男性教諭がいるって」



「え!知らなかった!すまん」



「…まぁ。正直に言うと、嬉しかった」



「え」



「好きだったから。多嘉のこと。」
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