Purity ~君を救える術があれば~
葛藤
 だからこそ、純ちゃんから不倫の話を打ち明けられた時の衝撃は、言葉に出来ない。
 10年ぶりに再会した日には、最寄り駅付近を案内してくれた。
 あまりに久々の再会だったので、最初こそ少し照れはあったものの、すぐにあの頃のように誰より仲のいい友達に戻っていって…。
 ただ、何か違和感のようなものがあった。
 純ちゃんは、とても美しく成長していたが、僕に向けてくれる笑顔が、あの頃と違って、悲しげだと気付く。
 最寄り駅が同じなので、自然に互いの部屋を行き来もした。
 初めて純ちゃんの部屋へ行った時、二人してコンビニで買ったビールやサワーを次々開けていくうち、僕はふと、
「そういえば、俺がここに居ても大丈夫なのか?純ちゃん、付き合ってる人いないの?」
 ほろ酔いだったせいもあり、今まで一度も尋ねなかったこともアッサリ訊けた。
「それは…お互い様だから、いいの」
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