婚約者の執愛
「片付けは、私にさせてください」

舞凛はそう言って、片付けようとする律希の横に立った。

「いいんだよ?舞凛は、座ってて!
舞凛は、何もしなくていいんだよ!
僕が全部やってあげる!
だから、僕に依存して?」
優しく見下ろし、微笑む律希。

「じゃあ、一緒にしましょう!」
舞凛も見上げて言う。

「なん…で…そんな…////」
「え?え?」

「舞凛…ほんと、可愛すぎ////!!」

「ひゃぁ!!?」
急に抱き締められ、変な声が出る舞凛。

「舞凛…舞凛…可愛い…好き、好き、大好き……!」
力強く抱き締め、想いを伝える律希。

舞凛はゆっくり、律希の背中に手を回した。


それから━━━━━
二人で片付けをし、ソファに並んで座る。
「舞凛」
「はい」
「コーヒー飲む?」
「あ、はい!
私もお手伝いします!」
立ち上がり、キッチンに向かう律希についていく舞凛。

自分の後ろをトコトコとついてくる舞凛。
律希は、あまりの可愛さに劣情を煽られていく。

「じゃあ、カップを出して」
「はい」
舞凛は食器棚を開け、驚愕する。
先程片付けをしてる時は気づかなかったが、中に入っている食器全て、ペア“しか”ないのだ。

「凄い…」
「舞凛?もうすぐコーヒー出きるよ。
カップ取って?」

「あ、はい!すみません」

ソファに戻り、コーヒーを飲みながらゆっくりしていると、律希が舞凛の頭を撫で出した。

「律希様?」
「舞凛、可愛いなぁと思って……!」
「そんなこと…////」

「ねぇ、舞凛」
「はい」

「……………キスしたいな」

「え?」
「ダメ?」
「あ…」
「僕は、舞凛の未来の旦那だよ?
だから…お願い……」
律希の顔が近づき、優しく口唇が重なった。

少しずつ深くなって、空気を取り込もうとする舞凛が口を開けると舌が入ってきて貪られた。

「はぁはぁ…////律希…さ……」
舞凛の色っぽい顔に、更に劣情が煽られていく。

「ヤバ…可愛すぎ…////」

律希は呟くと、再度口唇を塞ぎ貪った。
そして律希の口唇が、頬や首に落ちていく。

「や…律希さ、ま……ちょっ…」
「ん?嫌?」
「あ…いえ……」
(覚悟はしてたし…)

「怖い?」
「す、少し…」

舞凛は少し、身体が震えていた。

「……………舞凛、まさか…経験ないの?」

「…/////ご、ごめんなさ…////」
「……嘘だろ…?」

(え……もしかして、幻滅した…かな…?)
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