幼なじみ

12. 嫉妬

「美蘭、起きて。」

「ん。おはよう。」

「おはよ。」

ほくに起こされる。昨日の映像のことが心配だけれど、なるべく平然を装う。

昨日は、私が3人組の上級生に責められている映像を見た。いわゆる呼び出し。きっと、上級生の1人がほくのことが好きでいつも一緒にいる私が気に食わないんだろう。

「みぃ、ワックスやって。」

「うん。」

昨日、ドライヤーが上手くできなくて、ほくの髪の毛をボサボサにしてしまった。起きても直ってなくて、やっぱりセットするしかないみたい。

「できた。」

「ん。ありがとう。」

「ほくかっこいい。」

「ありがとう。」

セットしてるとやっぱりかっこいいな。ほくが学校にセットして行くのは初めてかも。

『いってきます』

「いってらっしゃいー!」

2人で学校に向かって歩いていると、ほくに話しかけられる。

「みぃ、なんかあった?」

「え、な、何もないよ。」

「そっか。」

ほくに映像のことがバレそうになった。でも、バレてないみたい。よかった。

「みぃ、なんかあったら言うんだよ。」

「う、うん。分かった。」

ほくに頭を撫でられて、思わず言ってしまいそうになる。でも、ほくにこれ以上迷惑かけれないな。

「美蘭、おはよう!」

「結衣、おはよー!」

教室にはいり、結衣に会う。

「ゴールデンウィークまであと3日も授業あるなんて…。」

「長いね…。早く夢の国行きたい。」

木曜日からゴールデンウィークが始まるから、あと3日授業がある。はやく、ゴールデンウィーク始まらないかな。

「美蘭、俺トイレ行ってくるからちょっと待ってて。」

「分かった。」

お昼休みになり、雨が降っているので屋上ではなく他の教室でご飯を食べることになった。ほくにトイレに行くから待っててと言われ、ほくを教室で待っていると…

「美蘭ちゃん、先輩が呼んでるよー!」

「あ、う、うん。分かった。」

クラスの子に呼ばれる。怖い。でも、ほくがいなくてよかった。というか、いない時を狙って呼ばれたのかな。

「あ、こんにちは。どうされました?」

「美蘭ちゃんだよね?ちょっといい?」

「はい。」

先輩に着いて行き、空き教室まで連れてこられた。

「美蘭ちゃん、北斗くんとどう言う関係なの?」

「えっと、幼馴染です。」

「じゃあ、付き合ってないよね?」

「はい。」

「じゃあ、北斗くんと仲良くしないでくれる?この子、北斗くんのこと好きなの。」

と言って、真ん中にいる先輩を指差す。この人がほくのことを好きらしい。勝手すぎる。こっちの事情も知らないで。

「先輩は、北斗と付き合ってないんですよね?それで、私に北斗と仲良くしないでって言うのは自分勝手じゃないですか?」

「は?先輩の言うこと聞けよ。ちょっと、可愛いからって調子乗りすぎ。」

「今、顔は関係ないですよね。」

パチンッ。

先輩にビンタされる。何この仕打ち。自分勝手すぎる。

「何今の音?だれか教室にいる?」

教室の近くを通った人の声がする。

「と、とりあえず、今日はこの辺で。北斗くんに近づかないでね。」

先輩たちは焦って出ていった。助かった。急に、力が抜け床に座り込む。
威勢よく先輩に言い返してたけど、本当はすごく怖かった。涙が出てくる。



(北斗side)

トイレから帰ってくると美蘭がいない。

「ねぇ、美蘭知らない?」

「ほ、ほくとくん。美蘭ちゃんなら先輩に呼ばれてどっか行っちゃったよ。」

クラスの女の子に話しかける。先輩に呼び出されたらしい。昨日から、様子がおかしかったのはこの事か。きっと映像で見たんだろうな。

「結衣、美蘭探してくるから、教室に戻ってきたらメッセージ送って。」

「え。美蘭いないの?分かった。」

結衣に教室にいてもらい、美蘭を探す。今日は雨が降ってるから、人気のない校舎内にいるはず。



予鈴が鳴り、昼休みが終わる。今日は5限出るのやめよう…。もう出る気力がない。
ひたすら、空き教室でうずくまっていると…。

「美蘭!いた…。」

「ほく…?」

「なんで、勝手に教室出てくんだよ。待ってろって言ったよな?」

「…ごめん。」

ほく、かなり怒ってる。多分学校中探し回ってくれたんだろうな。

「みぃ、おいで。何があった?」

「…。」

「とりあえず、こっちきて。」

床に座っている北斗の方へ行き、抱きしめてもらう。安心して涙が止まらない。

「みぃ、大丈夫だよ。」

「う、うん。」

10分くらいほくに抱きしめられていると、落ち着いてくる。

「みぃ、話せる?」

「うん。先輩に呼び出されて、ほくと仲良くしないでって言われたの。それで言い返したら、ほっぺ叩かれたの。」

「どこ。」

「ここ。」

「痛い?」

「うん…。」

「みぃ、怖かったよな。ごめんな。一緒にいてあげられなくて。」

ほくは何も悪くないのに、謝ってくれる。余計涙が出てくる。

「もう、みぃどうしたの。笑 泣き止んだんじゃないの?」

「だって、ほくが優しくて。」

「おいで。笑」

もう一度ほくに抱きしめられる。温かい。

「今日のこと映像で見たんだろ?なんで言ってくれなかったの?」

「ほくに迷惑かけたくなくて。」

「俺言ってくれないと寂しいよ。それに全然迷惑じゃないから。これからは、絶対言って。」

「分かった。ごめんね。」

「ん。みぃ、いい子だね。」

ほくは、私が何か隠してることを、知ってたみたい。これからは、ちゃんと言うようにしよう。

「授業始まっちゃったな。」

「だね。」

「今日は5限サボろっか。みぃ、映画みる?」

「え!どうやって?」

「携帯にみぃの好きな映画ダウンロードしてあるから見よう。」

「やったー!」

「今日は、美蘭ちゃん傷ついてるから最大限に甘やかしてあげないとね。」

「ありがとう。笑」

映画を見せてくれるみたい。ほくが後ろから私をハグし、そのまま手を前に持ってきて携帯を持ち映画を見せてくれる。何この体制。笑

「みぃ、見える?」

「うん。ありがとう。」

ほくが、私の肩に顎を乗せて、後ろから映画を覗き込んでる。少しくすぐったい。

「みぃ、頑張ったね。」

「うん。」

「俺がカッコ良すぎるせいで、ごめんな。笑」

「もう、何言ってんの。笑」

ほくがふざけるから、振り返り、ほくの方を向くと、おでこにキスされる。

「みぃ、かわいいから嫉妬されるんだよ。もっとさ、髪の毛ボサボサでメイクもしないで学校行く?」

「やだよ。笑」

ほくとふざけていると、チャイムがなる。

「そろそろ教室戻ろっか。」

「うん。」

教室に戻ると…、

「美蘭!見つかったの!もう、北斗連絡してよ!」

「あ、忘れてた。」

「もう、ずっと心配してたんだけど!」

「結衣、ごめんね…。」

「美蘭が無事でよかった。それより、どうしたの?」

「先輩に呼び出されちゃって…」

「そんなことがあったの!?まじでその先輩許せない。自己中すぎる。」

結衣に、先輩とのことを話すと自分のことのように怒ってくれた。

「美蘭のこと何にも知らないくせに、許せない。美蘭は、いつも通り北斗と一緒にいればいいんだからね。」

「うん。結衣、ありがとう。」

結衣本当に頼りになる。いつもありがとう。

「みぃ、帰ろ。」

「うん。」

ホームルームが終わりほくと帰る。

「みぃ、ケーキ食べる?」

「え!食べたい!」

「ケーキ買って帰ろっか。」

「うん。やったー!」

ほくがケーキを買ってくれるみたい。嬉しい。

「みぃ、どれにする?」

「うーん、チーズケーキか、フルーツタルトで迷う。どうしよう。」

「じゃあ、両方買っちゃおっか。」

「えぇ。いいの?」

「うん、今日は美蘭ちゃん甘やかす日って言ったでしょ。」

「ありがとう。」

ほくがケーキを2つも買ってくれた。早く食べたいな。

「みぃ、夜ご飯なにがいい?今日母さん達いないから、俺が作るよ。」

「うーん。ハンバーグ!」

今日は、麻美ちゃんたちが旅行に行っててホテルに泊まるらしい。。だから、ほくが夕食を作ってくれるみたい。

「よし、じゃあ材料買いに行こっか。」

「うん!分かった。」

材料を買って家に帰る。

家に着くとさっそくほくがハンバーグを作り始めている。

「みぃ、危ないよ。」

「うん。」

玉ねぎを切ってるほくの後ろに周り、ハグをする。なんか、今日は甘えたい。きっと、先輩のことがまだ消化しきれてないみたい…。

「みぃちゃんどうした?笑 甘えただね?」

「うん。」

「えっ。可愛い。」

素直に「うん」って答えると思ってなかったらしく、ほくは驚いてた。たまには甘えてもいいでしょ?

「みぃちゃん、俺ハンバーグ作れないよ。」

「うん。」

「今日はハンバーグやめる?」

「やめない。」

「もう。笑」

ほくが困ってる。呆られちゃうかな。

「みぃ、包丁は危ないから、3分だけ待てる?そしたら、いっぱいぎゅーしてあげるから。」

「…うん。」

ほくに3分だけ待ってと言われた。床に座りほくの足に抱きつく。

「もう。笑 みぃ可愛すぎ。」

「はやく。」

「分かった分かった。」

ほくを最大限に困らせてる。でも、今日くらい許して…。

「みぃ、できたよ。おいで。」

「うん。」

野菜を切り終わったほくがハグをしてくれる。

「今日、甘えたちゃんだね。可愛い。」

「うん。」

「いつでも甘えていいからね。」

「うん。」

「やばい。可愛すぎるんだけど。ちゅーしていい?」

「ダメ。」

「ダメかぁ…。」

ほくがハグしたまま甘やかしてくれる。ほく優しい。

「みぃできたよ。」

「うん。ありがとう。」

「よし、食べようか。」

「いただきます。」

ハンバーグが出来上がった。食べてみると…

「美味しい!」

「よかった。」

ほくが作ったハンバーグすごく美味しかった。ほくすごい。

「ご馳走様でした。ほくありがとう。」

「うん。じゃあ、風呂入ろっか。」

「うん。」

夜ご飯を食べ終わり、少し早めのお風呂に入る。

「みぃ、今日はごめんな。」

「なんで?ほくのせいじゃないよ。」

「でも、その先輩俺のこと好きって言ってたんだろ?」

「そうだけど、ほくのせいじゃない。先輩のせいだもん。」

「そっか。怖かったよな。」

「うん…。」

ほくに後ろから抱きしめられる。不安なことはあるけどきっと大丈夫。

「みぃ、好きだよ。俺は、美蘭といる時が一番楽しい。だから、先輩に言われたからって俺から離れようとしないでね。死んじゃうし。笑」

「うん。分かってる。みぃもほく大好きだよ。」

「それは、恋愛感情…?」

「違う。」

「えぇ…。」

ほくと離れる訳にはいかない。だから、先輩の言うことは聞けない。

「よし、じゃあ出てケーキ食べよっか。」

「うん!」

お風呂からでて、ケーキを食べる。

「みぃ、どっちから食べる?」

「うーん、チーズケーキ!」

「了解。」

ほくが冷蔵庫からチーズケーキを持ってきてくれる。

「いただきまーす!」

「どうぞ。」

「おいしい!!」

カシャッ。
また写真撮られてる…。

カシャッ。カシャッ。カシャッ。

「みぃ、やめろ…。」

「仕返し。」

カシャッ。

「捕まえた。笑」

「もう、ほくやめて。笑」

ほくに後ろから捕まえられて、そのまま写真を撮られる。

「ねぇ、もう離してよ。」

「やだ。笑」

ほくの腕の中に捕らえられたままほくがソファに座って携帯をいじるから身動きが取れない。

「ほく携帯で何してるの?」

「んー。写真見てる。」

「みぃにも見せて。」

「いいよ。」

ほくの腕の中から抜けられないから、ほくの携帯を見せてもらう。写真フォルダを見てみると…。

「なにこれ。みぃばっかじゃん…。」

「俺の携帯はみぃを撮るためにあるようなもんだから。」

「怖すぎ。いつ撮ったの…。」

写真フォルダは、私の写真ばっかりだった…。最近よく写真撮られてたけど、知らないうちに撮られてるのばっかり。寝てる時にも撮ってるみたい。

「みぃもほく盗撮してやる。今日はほくが先に寝て?寝顔撮るから。」

「ダメだよ。みぃ俺がトントンしてあげないと寝れないから。」

「そ、そんなことないもん。」

そんなの赤ちゃんみたいじゃん…。

「みぃ、そろそろ寝よっか。とんとんしてあげるから。」

「寝るけど、とんとんしなくていいから!寝れるもん。」

「はいはい。」

映像を見て寝る準備をする。映像はなんともなかった。明日は大丈夫そう。

ベッドでほくが腕枕をしてくれる。それと、とんとんもしてくれる。

「ほく、おやすみ。」

「ん。おやすみ。」

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