幼なじみ

7. 林間学校2

「2人とも行ってらっしゃーい!楽しんできてねー!」

「北斗、美蘭頼んだぞー!」

「はーい!」

「いってきまーす!」

今日から林間学校。不安な事も多いけど、楽しみ。

「みぃ、なんかあったら絶対に俺に言うんだよ。」

「うん、ありがとう。」

ほくはずっと気にかけてくれている。きっと大丈夫。

「美蘭、おはよー!」

「結衣、おはよー!」

「美蘭、なんかあったら言ってね。」

「そうだぞー!俺らに隠し事なしだからなー。」

「うん笑 ありがとう。」

結衣も寛太も本当に優しい。ありがとう。

「よし、じゃあバス乗ってー。席は自由だ。」

『はーい』

バスに乗って林間学校へ向かう。2時間くらいかかるみたい。

「美蘭、1番後ろに座ろう!広そう!」

「いいね!」

1番後ろの席に座る。北斗、私、結衣、寛太の順で座った。

「あー!楽しみー!そうだ、お菓子食べよー!トランプもしよー!」

「いいね!」

お菓子を食べてトランプをする。2時間あっという間に過ぎそう。

「え、北斗もう上がり?強くね!?」

「うん。」

「えぇ、ほく強すぎ。」

ババ抜きをやっているとほくはすぐに上がってしまった。強い。

「あー!負けちゃった…。」

「美蘭惜しかったね。笑」 

あと少しのところでババを引き、寛太に負けてしまった。

「美蘭、今日寝れないから今のうちに寝ときな。」

「確かに。美蘭寝な!」

「うん。分かった。」

まだトランプやりたかったけど、寝とかなきゃ。

「美蘭、寝れそう?」

「うーん、あんま眠くない…。」

「とりあえず、俺にもたれかかって目閉じでな。」

「うん、ありがとう。」

ほくにもたれかかって目を閉じる。眠くなかったけど、安心して寝ちゃいそう。


「美蘭、そろそろ着くから起きて。」

「…うん。」

あの後すぐ寝ちゃったみたい。いつも間にか、ほくの膝の上で寝てた。

「美蘭、髪ボサボサ。笑」

「ありがとう。」

髪がボサボサになってしまった。ほくが手でとかして直してくれる。

「ねぇ、写真とろー!」

「うん!撮ろ撮ろー!」

「はい、寛太携帯持って撮ってー!」

「おっけい、写ってる?北斗ともうちょい美蘭に近づいて。」

「はーい。」

ほくが頭に顎を乗せてくる。重い…。

「よし、撮れた。次変顔しよーぜ。」

「しよ!」

「よし、いくぞ。はいチーズ。」

カシャッ。

「いいねー!寛太ありがと!」

「感謝しろよ。」

「はいはい。あ、そうだ、美蘭と北斗こっち向いて。」

「ん?」

カシャッ。

「写真撮ったの?」

「うん、もっとくっついてー!」

「はーい。」

カシャッ。カシャッ。

「ちょっと、ほく。やめてよー。」

「美蘭、おもしろ笑」 

カシャッ。

ほくに口をむぎゅっとされる。ほくが私の顔を見て爆笑してる瞬間を撮られる。

「いい写真撮れた笑 後で送るねー!」

「もうー。美蘭絶対変な顔してるじゃん。」

写真を撮ってると、林間学校へ到着する。

「じゃあ、荷物を部屋に置いてきたら講堂に集合な。」

『はーい』

女子部屋に荷物を置き、講堂へいく。講堂では1年生が全員集合する。うちの高校は、4つの学科があり、それぞれ1クラスしかないので1学年160人ほど。林間学校では他クラスとの交流もあるみたい。

「じゃあ、まずは、山登りだ。」

「えー。着いて早々山登りだって…。」

「大変そうだね…。」

まずは、班ごとに山登りをする。頑張ろうー!

「みんな頑張ろうー!」

「おー!」

おしゃべりしながらゆっくり進んでいく。

「そういえば、聞いた事なかったけど、理沙ちゃんって彼氏いるの?」

「いないよー。結衣ちゃんは?」

「私もいないー。」

「え!意外。結衣ちゃんかわいいから絶対いると思った。」

「いやいや、いない。男の子はみんな美蘭に行っちゃうのよ。」

「えぇ、美蘭?そんなことないでしょ。でも、結衣に彼氏できらたら寂しいなぁ。」

「もう、美蘭可愛過ぎ。笑」

結衣がハグしてくれる。結衣に彼氏ができたら、あまり一緒に遊べなくなっちゃうのかな…。

「女子たち、恋バナしてるから、俺らもしようぜ。」

「いいね。しよしよ。」

「彼女いる人ー?」

「…誰もいないのかよ。じゃあ、好きな人いる人ー?」

「好きな人もいないのかよ。寂しい奴らだな。俺たち。」

「男子たちも恋バナしてるのー?盛り上がってるー??」

「いや、むしろ盛り下がってるな。全然恋バナが盛り上がらない。」

「美蘭ちゃんは、好きな人いるの?」

「えっ、美蘭?いないよー。」

「そうなんだー。」

「美蘭に恋愛はまだ早いよ。笑」

「美蘭も彼氏欲しいんだけどーー!」

結衣から、まだ恋愛は早いって。彼氏欲しいよーー。

「わぁ。きれいー!疲れたー!」

いろんな話をしていると、頂上に着く。景色がとても綺麗。

「ほく、見て見て!めっちゃ綺麗。」

「綺麗だね。」

「すごいー!!」

空気が澄んでてとても気持ちいい。みんなで写真を撮ったり、お弁当を食べたりして、下山をした。

「はぁーー。疲れたね。」

「疲れたぁ。15時まで休憩だよね。」

「そうそう。」

山登りが終わり、15時まで1時間くらい休憩する。

「あ、美蘭ちょっと救護室で寝てきたら?」

「そうしようかな。」

結衣の提案でちょっと寝ることにした。ほくに「救護室で寝よ」とメッセージを送ると、「分かった」と返信が。

コンコンッ。

「あ、美蘭ちゃんと北斗くん。」

「先生、休憩終わるまでちょっと寝させてもらってもいいですか?」

「いいわよ~。そこにベッドあるから使って。」

いつも通り、ほくに腕枕をしてもらう。ほく温かい。山登りで疲れてすぐ寝ちゃいそう…。

「美蘭ちゃん寝た?」

「はい。寝ました。」

「よかった。北斗くんも寝ていいからね。」

「ありがとうございます。」

「私、次の活動の準備があるから、先行くわね。時間になったら起きて講堂行ってね。」

「分かりました。」

「みぃ、起きて。」

「…うん。」

「寝れた?」

「うん。」

ほくに起こされる。少し寝れた。

「みぃ、髪の毛結ぶ?」

「うん、やってー。」

寝る時に解いた髪を結んでもらう。

「できた。」

「ありがとう。」

「みぃかわいい。」

「ありがとう。笑」

ほくが褒めてくれた。嬉しい。
そろそろ、講堂へいかなきゃ。

「ほく、そろそろ行こ。」

「えぇ。行くの?」

「なんで?行くでしょ?」

「次、他の学科と交流だろ?」

「うん。」

講堂に行こうとすると、ほくが行きたがらない。次は、他の学科と交流をするんだけど、どうしたの?

「俺のライバル増えちゃうもん。美蘭ちゃんとられる。」

「もう、なに言ってんの。」

後ろからハグされて、ほくが甘えながら駄々をこねる。

「もう、行くよ。置いてくよ?」

「待ってよ、俺も行くから…。」

講堂へ行くともうほとんどの生徒が集まってた。ほくのせいで遅くなっちゃったじゃん…。

「美蘭、こっちこっちー!」

「はーい!」

「美蘭寝れた?」

「うん!寝れた。」

「よかった。」

結衣に呼ばれて、班のみんなが集まってるとこに行く。今から他の学科の人と一緒にゲームをするみたい。

「では、国際学科は、キャリア学科の生徒と、レクリエーションします。」

『はーい』

「班番号が同じ班とゲームをするから、一班から順にキャリア学科の人と固まって並んで。」

私たちは3班だから、キャリア学科の3班の人たちとゲームをすることに。

「はい、そうしたらまずは班ごとに自己紹介をしてください。」

「二宮美蘭です。お願いします。」

拍手。

少人数でもやっぱり自己紹介するのは緊張しちゃうな。

「キャリア学科の、山本圭太です。よろしく。」

キャリア学科の3班の子達は、男女3人ずつの6人班だった。仲良くなれたらいいな。

「よし、じゃあレクリエーションに移ります。人間知恵の輪をやります。1番早く知恵の輪が解けた班が勝ちです。」

「人間知恵の輪だって!頑張ろうー!」

人間知恵の輪をやることに。楽しそう。私の隣は、亮太くんとキャリア学科の圭太くんになった。ゲームだけど、手を繋ぐの緊張しちゃうな。

「美蘭ちゃんだよね?よろしくね。」

「うん!よろしくね。」

「あとで連絡先交換しようよ。」

「う、うん。いいよ!」

圭太くんに、話しかけられる。他学科の子と初めて喋ったな。連絡先交換しようって言ってくれた。少し驚いたけど、交換することに。

「では、レクリエーションは以上になります。18時から夕食なので時間になったら食堂に行ってください。」

「美蘭ちゃん、連絡先交換しよ。」

「うん!」

「QRコード見せて。」

「はい、これだよ。」

「できた、ありがとう!」

「うん!こちらこそ。」

レクリエーションが終わり、圭太くんと連絡先を交換した。

「美蘭、連絡先交換したの?」

「うん。」

「ふーん。」

圭太くんと連絡先を交換した後、ほくがこっちに来て話しかけてくる。

「ねえ、重い。」

「んー。」

ほくが私の頭に腕を乗せてくる。重い。

「ねぇ、肘置きみたいに頭に置かないでよ。」

「んー。」

「聞いてないでしょ。」

もう、全く聞いてない。なんなの。

「みぃ、夜ご飯隣に座って食べよ。」

「班ごとに食べるんだから、隣で食べれるでしょ。」

「でも、今日の夜は、キャリア学科の班の奴らとも食べるんだよ。」

「そうだね。」

「みぃ、いいでしょ?隣で食べよ。」

「分かったよ。」

「みぃがテーブルの1番端っこの席でもいい?」

「なんでよ。別にいいけどさ。」

「やったー!みぃ、ありがとう!!」

「はいはい。」

いつも隣に座ってるじゃん。なんで今日はそんなこと聞いてくるんだろう?
部屋に戻って少しだけ休憩をする。

「美蘭、理沙ちゃんそろそろ行こっかー!」

「行こう!お腹すいたー!」

「美蘭もお腹すいたー!」

時間になったので、食堂へ向かう。食堂へ向かうともう他の子は集まっていた。

ほくの隣、寛太の隣、圭太くんの隣が空いていた。ほくの隣へ行こうとすると…

「美蘭ちゃん、隣座ってよ。」

「え、でも…」

圭太くんに隣に座ってと言われた。ほくと約束しているから断らないといけないけど、どうしよう。

「ごめん、私…」

「美蘭、圭太くんの隣座っちゃいなよー!もうこっち埋まっちゃったから。」

「えぇ。」

美蘭が寛太の隣、理沙ちゃんがほくの隣に座ってしまい、私は圭太くんの隣に座ることに…。ほくを見ると、すぐに目を逸らされてしまった。怒ってる。
「じゃあ、食べようかー!」

『いただきます』

「美蘭ちゃん、ありがとう!」

「う、うん。」

「美蘭ちゃんは、なんで国際学科に入ったの?」

「英語が得意でもっと伸ばしたかったからかな。」

「そうなんだ!俺も国際学科に入ればよかったー。」

「そうなの?どうして?」

「美蘭ちゃんがいるから!美蘭ちゃん可愛いから、毎日教室いたら俺授業とか頑張れそうだもん。」

「そんなことないよ。笑 圭太くん面白いね。笑」

圭太くん面白い。笑 仲良くなれてよかった!

「み、美蘭、えーっと、だ、出し物の準備は順調?」

「うん!バッチリだよ!」

「あ、そ、そうか。よかった。」

圭太くんと話していると、寛太が焦りながら話しかけてくる。どうかしたのかな。

「美蘭ちゃんは、部活入ってるの?」

「入ってないよ!圭太くんは?」

「俺は、バスケ部だよ。」

「え!バスケ部なんだ!すごいー!」

「そうかな?笑」

圭太くんバスケ部なんだ!運動神経よさそうだからきっと上手なんだろうな。

「み、美蘭、えーっと、ご飯美味しいね!」

「うん?おいしいね。どうかしたの?」 

結衣まで、焦った感じで話しかけてくる。どうかしたの?って聞くと、口パクで「ほくと」と言っている。ほくの方を見てみると、明らかに機嫌が悪そうな顔してる。さっきの約束守れなかったこと怒ってるかな…。

「食べ終わった人から、部屋戻って大丈夫です。19時からキャンプファイヤーなので時間になったら、外に来てください。」

「よし、じゃあ私たちもそろそろ部屋戻って出し物の準備しようか!」

「そうだね。緊張する…。」

「美蘭ちゃんの班、出し物何するの?」

「ダンスだよ!」

「え!そうなんだ!楽しみ!」

「圭太くんは?」

「マジックやるよ!」

「マジック!?すごい。圭太くんの班の出し物も楽しみ!」

マジックってすごいなぁ。楽しみ。キャンプファイヤーは、国際学科とキャリア学科が合同でやるから、キャリア学科の人たちの出し物も見ることができる。楽しみだなぁ。

部屋に戻ると、寛太からメッセージが。北斗が機嫌悪いから、出し物成功させるためにも北斗のところ来て慰めてあげて。って。結衣にこのメッセージを見せると…。

「美蘭、行ってあげて。さっき、北斗めちゃくちゃ機嫌悪かったよ…。」

「うーん、行ってくる…。」

美蘭にも言われて、ほくの所へ行くことに。寛太からほくが部屋から出ていっちゃったとメッセージが来た。まず、ほくを探さなきゃ。

「もう…どこにいるの…。あっ。…いた。」

ほくを見つけた。自動販売機の横のベンチに座って携帯をいじっていた。ベンチが壁のすぐ側にあるから死角になって全然気づかなかった。

「ほく、怒ってる?」

「…。」

私もベンチに座り、ほくに話しかけるけど返事が返ってこない。絶対に怒ってる。

「ほく、隣に座るって約束したのに、座らなくてごめんね。」

「…。」

「ほんとごめん。明日は絶対に隣座ろ。」

「…それだけじゃない。」

「みぃ何かほくにしちゃったかな?」

「…。」

ほくが怒ってるのは隣に座らなかったからだけじゃないらしい。何しちゃったんだろう。分からない。

「ほく、ごめん。だけど、黙ってたら分からないよ…。」

「キャリア学科の奴と喋り過ぎ。」

「えっ。」

なんか予想外の答えでびっくり。そんなこと?

「えぇ。なんでよ。喋っちゃだめなの?」

「みぃは俺のものなの。だから、だめ。絶対アイツみぃのこと狙ってる。」

「そんなことないよ。」

「あるの。もう喋っちゃダメ。」

「もう、そんなの無理だから。笑」

「みぃの馬鹿。」

「はいはい。笑 もう、そろそろ行くよ?」

話してるとだんだんほくの機嫌が直ってきた。馬鹿とは言われたけど…。笑 まあ、一応大丈夫そう。よかった。

「みぃ、ちょっと待って。」

「ん?どうした?」

「ぎゅーして。」

「はいはい。」

ほくに言われて、ぎゅーする。ほくかわいい。ぎゅーすると、ほくが笑顔になる。機嫌直ったみたい。よかった。

「もう、天使の美蘭ちゃん絶対みんな惚れる。ねえ、今から抜け出して、俺と一緒に天使と吸血鬼ごっこしない?」

「しないから。」

キャンプファイヤー場へ向かう途中、機嫌が直ったほくがふざけてくる。出し物緊張するなぁ。頑張ろう…。
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