ママの手料理 Ⅲ
「いや、僕にとってはウィンウィンじゃないし、それより他の人に余計な誤解招いちゃうよ…?」


電気に照らされた彼のキャラメル色の髪が、キラキラと艶を放っている。


「何ごちゃごちゃ言ってるんですか!いつもの仁さんなら二つ返事でOK出すじゃないですか!恥ずかしがらないでくださいよー」


あはは、と声を上げて笑ってみせると、


「ちょっと待って何それ?別に僕は恥ずかしくなんて思ってないけどね?だってほら、僕ってイケメンだし?」


ナルシスト仁さんが、ひょっこりと顔を覗かせた。



それからしばらくくだらない話をして、すっかりいつもの調子に戻った最年長mirageを見つめ、私は心からの笑顔を浮かべる。


「…良かった」


そんな私の様子を見ていた彼は、恥ずかしそうに小さく笑みを零し。


「…ありがとうね、」


闇夜に消えそうな程に小さな声で、感謝の気持ちを述べてくれた。
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