君が紡ぐ初恋を、独り占めしたい。

結局、新入生歓迎会の件は自分たちらしく園芸部の良さを伝えようということに決まり、ミーティングは終了。


解散した後、私はグラウンドに面している花壇のところにやって来た。


昨日と今日。


休み時間やお昼休みを使って、朝丘くんと出会った場所の手がかりを見つけるべく、校舎の中をあちこち歩き回った。


でもピンと来る場所は無かった。


となると、残るは屋外。


もしかしたら、園芸部の活動中に話したことがあるのかもしれない。


私は花壇のある場所を順番に回って行く。


残す花壇もあと数ヶ所になった時。


ふと、体育館前で足を止めた。


花壇はないけれど、体育館裏にはツツジが植えられているのだ。


花が咲くのはもう少し先だけど、久しぶりに様子を見て行こうかな。


花壇巡りを中断して、体育館の裏側へと移動する。


数十メートルに渡って、一定間隔で並んでいる低木のツツジ。


その真ん中辺りで立ち止まると、ゆっくりとしゃがんだ。


雑草が伸びてるから、次の活動日にはここの草むしりをしなくちゃ。


「あれ?今……」


一瞬、何かが頭の中を過ったような……。


< 24 / 56 >

この作品をシェア

pagetop