始まりはたぶん、ホワイト・ライ
Countdown
バースデーケーキに、24本のキャンドルを灯す。

こうして、友也と一緒に私の誕生日を過ごすのは、もう6回目にもなる。

「結希、誕生日おめでとう」

「ありがとう」

「じゃあ、願い事しなよ」

「うん」

瞳を閉じて願うのは、

(ずっと友也と一緒に居たい…)

一息でキャンドルの灯を吹き消した。

「あはは!これだけキャンドルの数が増えても一気に吹き消せるなんて、相変わらずの肺活量だねぇ」

友也が可笑しそうに笑う。

「吹奏楽やってたからね」

「それ、もう10年近く前の話だろー?さては、来年までにギリギリセーフで彼氏ができますように!って切実に願ってたんじゃない?」

相変わらず、友也はクスクス笑っている。
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