無気力男子に気に入られました。〜無気力男子との甘い恋〜
わっ……!

また抱きつかれて、戸惑う。

「結衣だけ……!もう結衣だけでいいや……」

「ありがとう……」

そう言ってもらえるのは、本当に嬉しい。

「怜くん!」

女の子の甲高い声が聞こえた方をみる。

「あの……これ……」

「……何これ。いらないんだけど」

「うわー……」

隣で鈴音ちゃんが嫌そうな声を出す。

「あの人って……」

同じクラスの人で、「無気力」とか「無愛想」って言われてる……松宮 怜くん。

「あの言い方はないわ……」

鈴音ちゃんの言葉に苦笑いを返す。

確かに……さっきのは酷いと思う……。

「でも、あんな感じでアプローチ……されてみたいな〜」

「は?え……?」

なぜか怜くんがこちらをみた。

「え……何急に……」

鈴音ちゃんが怯えたような声を出す。

怜くんがこっちに来て、慌ててしまう。

な、何か悪いことでもしたかな……っ。

「……来て」

「え……?」

な、なんで……。

腕を引かれ、言われるがままついて行く。

な、何か言われるのかな……。

人気のないところに来て、腕を離される。

「あのさ、俺と付き合ってくれない?」

「え……?」

つ、き合う?

付き合うって……恋愛的にってこと?

「えっ、と……」

「……嫌?」

「い、嫌ではないです!けど、怜くんのことよく知らなくて……」

申し訳ない……。

「じゃあ、友達から始めよ?」
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