溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
嫉妬、溺愛

この感情がかくれんぼするのは先輩のせい

「……真白ちゃんって、好きな人いる?」

「……えっ……?」


先輩は、切なげな顔をして私にそう問う。

……もう、認めてしまった方が楽だろう。


———私は、先輩が好き。


期間を重ねていくうちに、増すドキドキ。

きっとこれが、初恋なんだ。


けれど……先輩は、相変わらずモテモテで、私の手が届くような人ではない。


それに……きっと、やっぱりからかわれてるんだ。


だから、この気持ちはどこかに隠れてしまう。


「……いません」

「そっ……か……」


先輩は安心したようにも曇った表情を浮かべる。


……そうだ。なら、私も聞いてみよう。


「先輩には、好きな人、いるんですか?」

「僕?ああ僕はね……。んーどうだろう」


あははと苦笑いをして誤魔化す先輩。


「正直に言ってください……!私だって言ったんですから」

「……んー。じゃあ、真白ちゃんかな」

「……ふぇ?」

「なーんてね。」

「っ……」


ああ、なんだろう。

ぎゅっと、気持ちが踏み潰されたような、けれど少し希望が見えたようなこの気持ち……。


けれど、胸がきゅっとして苦しい……。


「……そういえば、もうすぐ夏休みだね」

「はい、そうですね」

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