雨降る日のキセキ
そして、校門を出たところで千隼くんは口を開いた。


「今まで本当にごめん」


深々と頭を下げられ、下校中の生徒たちの視線が突き刺さる。


「ちょ、ちょっと千隼くん!頭上げて!」


「どう謝っていいか…。本当に悪かった」


「いや…あの……頭上げて…?」


急になんでなんだろう。


今まであんなに冷たかったのに。


「とにかく、落ち着いたところで話そう?」


千隼くんをいつもの公園まで連れていき、おなじみのベンチに座る。


人一人分空けて腰を下ろす千隼くん。


それが少し寂しかったから間を詰めて座り直すと、また申し訳無さそうな顔をしてきた。


「もう…。私はこうして千隼くんと話せるだけで嬉しいんだよ?そんな顔しないでよ…」


この時をどんなに待っていたか。


千隼くんと話せない期間がどれだけ寂しかったか。


きっと千隼くんには分かんないだろうな…。
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