友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。～ＯＮＥ 史上最強の暴走族～

「…由奈？そろそろ、行くよ？」


呆然と突っ立っている由奈に駆け寄って肩を揺すろうとしたら、なぜかその手を振り払われた。

そして、由奈は走り出す。


あまりにも突然の行動に、わたしは驚いて目で追うと、由奈は一之瀬くんのもとへ走っていった。


由奈のことだから、てっきり勘違いされて攫われた文句でも言いに行ったのかと思った。


――だけど、違った。


由奈は止まることなく一之瀬くんのもとへ行くと、その広い背中に手をまわした。


「…彪雅っ。ずっと会いたかった」


そう言って一之瀬くんを抱きしめ、胸板に顔を埋める由奈。


おそらく、この場にいるだれもがこの展開を予想していなかった。


由奈に突然抱きしめられ、一之瀬くんも驚いた表情を見せている。


「まさか、彪雅がこんなことになってるなんて思ってなくて…。会いにくるのが遅くなって…本当にごめんっ」