友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
「…じゃあ、これからもそれでいいじゃねぇか」

「でも、わたしはずっと疑問に思ってて…。もちろん、それは記憶がないからでっ…!けど、万里くんは『彼氏』というよりも、『わたしに優しくしてくれる人』っていう感じしかしなくて…」

「なんだよ…それ。オレは、ただの『いい人』ってか?」


吸っていたタバコを荒々しく灰皿にねじり潰す、万里くん。


――そして、今のピリついた空気が流れる場に戻る。



万里くんは、箱からもう1本タバコを取り出すと、その先端に火をつけた。

まるで気持ちを落ち着かせるように、大きく息を吸い、白い煙を吐き出す。


「でもまぁ、そんなことで別れねぇけどな。だって、いつかはわかるはずだから。慈美には、オレが必要だってな」

「…もしそうだったとしても、『いつか』じゃダメなの」
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