友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
わたしが電信柱とゴミ箱の陰に身を隠していることも知らずに、その横をバイクで通り過ぎていく万里くん。


万里くんのバイクの音が徐々に小さくなっていって、ようやく胸を撫で下ろした。

と同時に、心臓がバクバクしていて、寒くもないのに体がブルブルと震えているのがわかった。


万里くんに襲われそうになったからという、こわさもあったかもしれない。


でも、この鼓動と体の震えは…それだけじゃない。


その原因は、万里くんのバイクの音…。

最近は慣れたと思ったけど、やっぱり万里くんのバイク音は苦手だ。


…むしろ、嫌いだ。


なぜだか、万里くんのバイクの音を聞くと、毎回恐怖で体が支配されそうな感覚に陥ってしまうのだった。



バイクの音が聞こえないため、おそらく万里くんは近くにいないということはわかる。
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