黎明の剣


それを知っていながらも、逃亡するものが後を立たないのは家族を守るため。


ただそれだけだった。


そして、いつかこの深く、底の見えない夜が明けることを、平和を皆切望して止まないのだ。


そんな時だった。


最後の戦争(帝国対二-ディア王国)が始まりを告げる。


帝国は戦争で敗戦した事などなく、対して二-ディア王国は歴史の浅い諸国。


帝国に勝てるはずもない。


戦地に向かう兵士たちは死刑場へ行くも同然だった。


当然の如く兵は減っていき、屍が転がっていく。

< 2 / 31 >

この作品をシェア

pagetop