こばとヴィレッジで夢を叶えましょう~ある革職人の恋のお話~

「仲良しというか、俺がいいように使われてるというか。一緒に買い物に行けば荷物を持たされるし、夜遅くなったときは迎えに来いと呼ばれるし。でも断ると拗ねてややこしくなるから、ハイハイということを聞いてるんだ」

同じ家で暮らしてるといろいろ面倒くさいから、とケイは笑った。

「そうなんですか…」


つい聞いてしまったのだ。
話の流れを変えようと思ったら、無意識に出てしまったというか。
まさかそんな返事が返ってくるとは思わなかったので、不意打ちのダメージは相当大きかった。

なんで聞いてしまったんだろう。

仲良しどころか、一緒に住んでいたなんて。
心の中に開いた穴が、どんどん広がっていくのがわかる。

あぁ、こんなにも好きだったんだ。

初めてプライベートな話を聞けて、とても嬉しかった。
仕事に対する熱い想いを聞いて素敵だなと思った。

それだけに、知ってしまった事実が辛い。

目の前で静かに微笑むケイに気づかれないように、小春はそっと目をこすった。

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