俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~
春多くんが手招きするから近付くと、腕を引かれて膝の上に座らされる。そのまま、ひょいっと持ち上げられて、膝上でお姫さま抱っこ状態となった。
「珠里さん、おかえりー」
「ただいま……っ、」
フッと目を細める春多くんのおかえりのキスが落とされて、柔らかい唇が口付けられる。
何度も啄むようにキスされて、下唇を吸われて一端離れた。
「真木さんと食事楽しかった?」
「うん、楽しかった……」
「お腹は何ともない?」
「うん、ぐるぐる動いてて赤ちゃんも楽しそうだった」
「なら良かった。あの人と会うときは今後も外でな」
春多くんがにっこりと笑顔を向けるけど、絶対に前に家に上げたこと怒ってそうだな。
プライベート空間に人上げるの嫌いだって言ってたしね。
「それでさ。もし、あんたの納得のいかない金額だったらその指輪いらねーの?」
「へ?」
「俺があげた指輪、返品されちゃうわけ?」
「それはやだっ!絶対しない!!」
「じゃぁ、いーじゃん。あんたも気に入って俺も満足してんだし」
「…………そうだけど」
むー、と頬を膨らませると、春多くんは面白そうに意地悪な笑顔を見せてから。もう1度これでもかって位に甘いキスを落としてきた。
──珠里、婚約指輪を手に入れる──