俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~
籍or認知




「あんた最近、顔色悪くね?仕事、無理しないで休んだら?」

「大丈夫。ちょっと寝不足なだけだから」

「なら、いいけど。この間、プレママの家に行くーって言ってた日からあんたおかしいよ」


春多くんが眉を潜めて覗き込んで「なんかあったら言えよ」と言葉を続けるから、胸がズキンと痛んだ。


あれから数日がたつ。

ミチさんから毎日のようにメッセージが届くようになった。返事をしていないのに、"遊びましょう""何してますか?""主人は元気です"と何通も大量に送られてくるのだ。

今も鞄の中で、ミュートにしてあるスマホのランプが光っていると思う。




「実はね色々あって……。ちょっと長くなるから、今日帰ってきたら話すね」


この子にはちゃんと話さなきゃ。
俊也さんの奥さんだった事。多分、不倫していたことがバレているという事。

それと、俊也さんに"俺の子供としてやり直さないか"と言われた事も──。




「ただでさえ、ストレス感じやすい時期なんだからさ」

「うん、ありがと」

「うわ、もう時間だ。無理して皿洗わなくていいから。と、いってきます」


今最後の病院実習中の春多くんは時間に追われるように、家を出て行った。


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