俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~



どうしよう。きっと、今日の件が春多くんのお父さんの耳に入って春多くんを怒りにきたんだ。



「違うんです、すみません、すみません!私が春多く……息子さんの事を好きで好きでしょーがなくて、道端で踏んで拾って持ち帰ってしていーよって(たぶら)かしたんです!!だから、悪いのは私で春多くんは悪くないんです!」

「うわ、言ってること滅茶苦茶じゃん。小声)……珠里さん、ありがとう。俺のためにそんな自分を卑下する事を言わなくていいよ」


頭がパンクしそうな位にいっぱいいっぱいな中。春多くんが頬を赤らめて優しく微笑むから、この演技っぽい顔に胸がドギマギしてしまう。





「相変わらずだな。やむを得ない事情で早退したと聞いたが、何を勝手に子供なんか作ってるんだ?」

「情報が入るの早いですね。黙っていた事は大変申し訳ありませんでした」

「しかも、院内のケアワーカーなんかと関係を持って…」

「でも、何人も女性に手を出してる、宗一郎さんにだけは言われたくないですけどー」


「お前にはレベルの高い遺伝子を残して貰う必要がある。研究室の北川教授の…」
「それは、お互いに相手がいなかった場合でしたよね?俺は珠里さんを愛してるし、もうお腹に俺の優秀な遺伝子を引き継いだ子がいますから。俺の人生です。宗一郎さんの言いなりにはなりません」


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