俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~
未知なる遭遇
「珠里さん、仕事キツくない?無理しないでね」
「う、うん」
「今日 暑くなるから水分は小まめに取りなよ。室内でも熱中症にかかるんだから」
「わ、分かってるよ」
「それから、少しでもお腹が張ったら看護部長さんに……」
「やめてよ、大丈夫だよ。もう、春多くんは心配性なんだから」
夏の陽射しが照りつける中。私と春多くんは手を繋いで職場まで徒歩13分の道のりを歩いているけど。目の前が職場なんだってば!
「ね、ねぇ。もう病院着くし、恥ずかしいから離してよ」
「何で?俺は1分1秒でも長く珠里さんと繋がってたいんだけど」
なんて、春多くんが眉を下げてシュンとした表情を見せるから。可愛いんだけど……、同僚や春多くんを知ってるであろう学生達の前でこれはあり得ない。
「もう、離してよ!じゃぁね!」
「分かった。今さら、照れてんだろ?」
「春多くんは、ちょっとは周りを気にしてよ!あなたは学生だけど、私は社会人なんだよ?TPOってものが……、」
「んー、珠里さん可愛い!いってらっしゃいのチューして?」
「や、やだよ、こんな外で……んぐっ、」
次の瞬間、両手で頬をつかまれて春多くんの唇によって口を塞がれた。