最後に恋した一か月

 足音。

 そして、ドアを開ける音。


「先輩っ!」


 駆け寄ってくる、浅田。


「ごめん、遅くなっちゃって……!」

「いいって、べつに」

「先輩? どうしたの?」

「べつに……」


 ぽろり。


 気がついたら、あたし、泣いてた。

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