あたしは桜子- 売れないモデル-
桜子は、大学生の智也と一緒に住んでいる。
アパートは、ワンルームで狭い。
智也のアパートに桜子が住み始めて、もう一年になる。


「ただいまー。」

「おかえり。」


智也は、まだ寝ている。


「ねえー、まだ寝てんの?信じらんない!もうお昼だし。」


桜子が、智也の布団を剥いだ。


「あーなんだよ、せっかくまどろんでるのにさ。」


そう言って、桜子を布団に引っ張り込んだ。


「あーんもう、やめてよ。」


甘い声を出して、桜子が抱き付いた。


2人はそのまま愛し合った。


「ねえ、お腹空いてる?」


桜子が聞く。

「ああ、なんか食べようぜ。」


2人は服を着ると、コンビニに向かった。


2人分のお弁当と、ペットボトルのお茶をカゴに入れる。

「ねえ、なんかデザート欲しい。」

桜子がチョコエクレアを二つ、カゴに入れる。


「おい、それ太るぞ。」


「あん、だって食べたいし。」


帰り道、智也が聞く。


「今度の仕事いつ?」


「明日よ。またチラシの撮影だし…。」


「ふーん、そうか。俺、明日から試験だから。」


「いやよ。私、明日早いから。」


「なんだよー、まだなんにも言ってないし。」


「だから、智也が試験の時は、必ず起こされてさ、喉渇いたとか、お腹空いたとか、あれ買ってきてとか、もういやよ。」


「そんな事言わないでさ、桜子がいないと寂しいんだよ。笑。」


そんなやり取りしながら、アパートへ戻る。



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